台湾駐在回想録(台湾人の働き方編)

服装

台湾は1年の内10か月くらいは気温30度くらいですので、基本的はスーツは着ませんし、ネクタイも締めません。年中クールビスといったところです。ただし1~2月は気温が15度くらいまで下がりますのでコートやジャンバーを着たりします。

でもスーツは全く着ないという訳でもなく、公式の場所に参加する時や営業職の人でお客さんと会う時はスーツを着たりします。そういった時のために会社にスーツ一式を置いていて、その時になったら着替えるという人も多いです。

日本ではクールビスの時にネクタイを締めない代わりにボタンダウンのワイシャツを着る人が多いですが、台湾ではボタンダウンは流行っていません。もともとネクタイを締めていなかった人が多かったので、普通の襟のワイシャツでネクタイをしていなくても特に違和感がないようです。台湾でボタンダウンをしている人がいたら、かなりの高確率で日本人です。

 

時間の感覚

日本では5分前行動を心掛けている人が多いですが、台湾では時間ぎりぎりに約束の場に到着する、もしくは遅れてくる人が比較的多い気がします。時間の感覚が日本人ほど厳格ではないですし、遅れてきてもそんなに気にしません。逆に終了の時間になると直ぐに解散になることが多いです。始まりの時間は気にして終わりの時間は気にしない日本、始まりの時間は気にしないで終わりの時間は気にする台湾、この点は真逆で面白いです。

 

人との接し方

台湾人はとても素直でフランクで、公私の区別なく人に接します。仕事の関係の人でも一緒に遊びに行ったりしたりすることもあります。この辺りに一線を引く日本とは違います。また、上下関係の時でも敬語をあまり使いません。この点もフランクです。お客様と接する時は当然敬語を使いますが。

あと、自分の意見も素直に伝えます。裏表がない印象です。ある意味何を考えているのかわかりやすいので、日本人と比べるととても接しやすいです。「空気を読む」ということはあまり考えなくてもよさそうです。

しかし、その「空気を読む」や「相手の言っている真意を推測する」ということは日本ほど行われていないため、日本式の「言わなくてもわかる」はあまり通用しません。「あれやっといて」「そんな感じで」「スピード感を持って」と曖昧に言ってもうまく伝わらない場合が少なからずあるので、台湾人と一緒に仕事をする時は事細かに説明する方が間違いがないと思われます。

 

意思決定と始動の速さ

ボトムアップの日本と比べて、台湾はどちらかというとトップダウンで物事が決まっていきます。ですので意思決定と始動はとても速いです。日本のように下の人が用意周到に準備して上にお伺いを立てて承認してもらってやっと本格始動するといったのではなく、上の人が真っ先に判断し決定して、その後下の人がゼロから始動するといった仕事の仕方をします。まず始めることが大事、問題が発生したら都度修正していけばいい、といった考え方です。

ボトムアップ、トップダウン、どちらも良い面、悪い面があると思いますが、ビジネスのトレンドが短期間で変化している現在、個人的にはトップダウンが時代に合っているような気がします。

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